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【インタビュー】丹波篠山ジビエ専門店 山大 西村大二郎さん

最終更新: 2019年2月2日

(丹波篠山おしかけマルシェ@2.11 食堂とだか 出品)


丹波篠山ジビエ専門店 山大 西村大二郎さん



<プロフィール>

2016年、教員からプロ猟師へ転身。それまでは教員として働きながら猟師の経験を積み、猟師歴10年目で起業。自宅脇の20㎡の土地に解体~梱包までが完結する作業所を建て、自分で仕留め捌く質の良い篠山の山肉を売るという夢を実現。増えすぎた野生動物を駆除だけではなく有効活用することで適正な個体数を維持していきたい。また、定番の猪肉だけではなく良質なたんぱく源である篠山産鹿肉の普及にも力を入れていく。それによって教員時代に教えていた「命の大切さ」、篠山の豊かな自然、そして農業を守る環境を後世へと伝えていく。


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「山が好きな大二郎」だから山大


 子どもの頃は山で遊ぶのが当たり前だった。秘密基地作ったり川遊びしたり。一方、近年は林業の衰退、環境の変化、山と人の関わりが変化して山が荒れている。山の生態系が崩れ野生動物の個体数が異常に増えて農作物への被害が深刻化している。大好きな山を健全な状態に守ってやりたいという思いから、市の有害駆除部隊に加わることとなった。


 当時、駆除された鹿肉は利用されず破棄・埋設が当たり前だった。

教員として私はいつも子供たちに、命に感謝して食べなさい、と教えているのに、いただいた命を捨てることに矛盾を感じていた。

 地元では鹿を食べるという文化がほぼなく、食用として処理されることがなかった。もちろん解体所もない。食用として処理されていない肉を食べても美味しくないのは当然。ただ、我が家はたまたま曽祖父の代から猟師を継いでおり私で4代目。市内でも一応、猟師として古株の一家。昔から、食用としてきちんとした処理ができれば猪だけでなく鹿肉も美味しくいただける事を知っていた。

 私が猟師を始めて少しした頃にジビエブームが起こり、その時から「美味しい鹿肉を世の中に流通させたい」という思いが芽生え始めた。教員の仕事も大好きな職業だったので、とても迷ったが猟師10年目にしてジビエ肉販売業での起業を決意。人生一度なので、やってみたいことにチャレンジしたかった。

 妻は反対しなかった。むしろ、自営業になってから子供と触れ合える時間が増え、妻も家族もとても応援してくれている。



"肉の臭み"は処理の腕次第


 食肉としての品質を上げていくためには、自分の体験を通して技術を磨きルール化すること。

 血抜き、腹抜き(臓器の取り出し)、解体、処理法すべての行程においてどのように処理したかを一つ一つ記憶して自分で食べる。

 例えば、心臓が動いているうちに血抜きを済ませば鼓動がポンプとなってより血液が出し切れるので臭みが抑えられる。また、臓器にはガスが充満しており独特の匂いが充満しているので、胃袋などは特に傷付けないように取り出す。また、臓器を抜くときも腹に入れる切れ込みの長さを最小限にして中の肉の鮮度を保つ。など、食肉としての美味しさを少しでも保持するために、試行錯誤してきた。



茶葉の香りがする鹿肉



 肉の味に影響を与えるものはもちろん処理方法だけではなく環境もそうだ。篠山の鹿は、山の植物や田畑に生えているものを食べている。

 鹿は雄と雌の発情期が異なるため、牡の発情期である9月~10月・雌は5月の出産から授乳が続く7月頃までを避ければ年間通して美味しい鹿が獲れる。この辺りの鹿は主に草木を食べるので季節によって若干味の違いがあることも事実。


 ある時、知人の料理人から4月頃に鹿が食べているものを教えてほしいと言われて調べたときのこと。その時期の個体の胃袋を調べると、大量の茶葉が出てきた。数十年昔、篠山では今よりも茶葉の生産が盛んだった。篠山の山には当時から残るお茶の木が自生している。言われてみれば、肉質から茶葉のようなさわやかな香りがあるような気がする。その料理人は篠山産の丹波茶と鹿肉を合わせたコースをお客さんに提供して喜ばれたそうだ。

夏は黒豆の新芽を食べたり、果物を食べたり、篠山の野生動物は美味しいものをよく知っている。

 また、猪については周知の通り、寒さを迎え脂肪を蓄えた冬が最も美味しい。秋、この辺りはどんぐりなど餌が豊富にある。冬は大変寒いので身を守るためたくさん脂を付けている。正月までは牡が食べ頃。正月頃を過ぎると、牡は発情し肉質が固くなるので注意が必要。雌は、春に出産し秋まで授乳しているので痩せている。だから基本的に夏は猪を捕獲しない。

 蝦夷鹿と本州鹿の違いもぜひ試してほしい。それぞれの美味しさがあってどちらが良いとは言えないが、本州鹿の方が個体が小さい分、肉質は固くなりにくい。味わいは主に冬に捕獲される蝦夷鹿の方が濃厚だが、篠山の鹿は肉質がきめが細かく、柔らかさがあり癖が少なくて日常食として食べられる。たんぱく源が牛よりも多く脂質が少ないため、ダイエットやアスリートにもおすすめ。ジビエ初心者にこそ、ぜひ篠山産の鹿肉を試してほしい。



丹波篠山ジビエ専門店 山大

Interviewed and written by Michiko Umetani

『山大』のジビエが出品されるイベント「丹波篠山おしかけマルシェat食堂とだか」詳細はこちら

https://www.facebook.com/events/320140175263797/



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​兵庫県篠山市小田中104-1

 

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